札幌弁護士青野渉が交通事故被害について、詳しく解説します。
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交通事故被害
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弁護士に相談する場合
交通事故の被害者・遺族が弁護士に依頼できること
刑事事件
 交通事故の被害者、特に死亡事故の被害者遺族は、加害者の厳重な処罰や真相解明を希望して、相談に来られます。
 交通事故は、自動車運転過失致死傷、道路交通法違反、危険運転致死傷罪等に該当する犯罪として、警察及び検察庁が捜査を行います。捜査をしたり、刑事裁判を提起する権限は、警察・検察の専権で、被害者には何の権利もありません。したがって、残念ながら、現在の日本の法制度では、被害者は、刑事裁判には、ほとんど関与することができません。したがって、弁護士が被害者のために協力できることも非常に限られています。
 ただし、現在は被害者保護の観点から、いくつかの制度が新設されていますので、不十分な形ですが、刑事裁判への関与が認められています。例えば、加害者の処罰について意見を述べたり、刑事裁判の記録を閲覧したりコピーしたりすることが認められております。これらの手続について、弁護士がサポートすることができます。また、警察や検察庁に被害者としての要望を伝えるために、弁護士がサポートすることもできます。
民事事件
 民事事件とは、被害者が、加害者に対して、被った被害(損害)の賠償を求めることです。最終的な解決手段は、民事裁判ですが、後遺障害が残らない程度のケガならば、保険会社との交渉による示談などで解決することが一般的です。
 裁判以外に、比較的簡単な方法としては、財団法人交通事故紛争処理センターでの解決や、日弁連交通事故相談センターでの解決も考えられます。
 しかし、特に、重度後遺症や死亡事故に関しては、弁護士に依頼してきちんと訴訟を行うべきだと思います。示談によって解決する水準と裁判の水準とは全く違うのです。
弁護士に依頼する場合の費用
 弁護士費用については、かつては、弁護士会が「報酬規定」を定めていたのですが、2004年4月1日に、この「報酬規定」は撤廃され、弁護士報酬は「自由化」になりました。本来は、これによって、安くて、質の高い法的サービスが市民に提供されることが目的だったのですが、逆に、「自由化」になったことで、法外な報酬を請求する例もあるようです。日弁連では、報酬基準の目安を公表しておりますので、それも参考にしてください(日弁連ホームページの「市民のための弁護士報酬の目安」参照(PDFファイル))。この「目安」は自由化にともなって、弁護士にアンケートをとったものです。
 報酬規定がなくなったので、報酬の決定は、各弁護士の自由なのですが、交通事故の着手金と報酬の、だいたいの目安は以下のような感じだと思います。
交通事故の着手金と報酬のだいたいの目安
 弁護士職務基本規程29条、30条では、費用について説明すること及び委任契約書を作成することが義務づけられています。また、例えば札幌弁護士会の「弁護士の報酬に関する規程」3条では、報酬基準を作成することや見積書を作成することが義務付けられていますので、遠慮なく、弁護士に対して、着手金・報酬の額について、聞いてください。
 また、「報酬は10%」などと言われた場合に「何に対しての10%なのか? 自賠責保険部分は入っているのか?」ということをよく確認しておくことをお勧めします。自賠責保険金から2割の報酬をとっているなどという滅茶苦茶な弁護士もいるようです(ちなみに、旧報酬規定では、自賠責の被害者請求手続の代理は、2%が原則でしたので、20%というのは、暴利もいいところです。)。
弁護士に依頼する場合の注意点
依頼の目的をはっきり伝える
 交通事故について、被害者が相談したいことは、@民事事件(適正な損害賠償をしてもらいたい。)、A刑事事件(加害者をきちんと処罰して欲しい。)、といった点があると思います。また、時には、B「自分の息子が死亡したが、息子がセンターラインオーバーをしたことになっている。真相は逆ではないかと思うので、真実を解明したい。」というような希望もあると思います。
 弁護士によっては「民事しかやらない。」という人もいますし、実際に「弁護士に頼んだんだけど、お金のことしか言わない。相手を厳しく処罰して欲しいのに、示談ばかり勧められる。」というクレームについて相談されることもあります。たいていの弁護士の頭の中には「交通事故=賠償問題」という考え方がありますので、何を依頼したいのか、はっきりと弁護士に伝えないと、@を中心に物事がどんどん進んでいくことになります。
 ただし、AやBの問題は、弁護士の力では解決できないことも多いので、「何ができて、何ができないのか?」をじっくりと相談してみてください。
弁護士を選ぶ方法
 「良い弁護士を選ぶ方法」は、なかなか難しいものです。交通事故で一生を台無しにされるダメージを受けているのですから、せめて、裁判では最大限の権利を認めてもらわなければ、踏んだり蹴ったりです。そして、大都市では、たくさんの弁護士がいますし、電話帳やインターネットをみれば、取扱業務として「交通事故」を掲示している弁護士は、いくらでもいます。相談だけであれば通常5000円ですので(最近は無料のところもあるようです。)、何人かの弁護士に相談してみるというのが一つの方法です。自分が聞きたいことを、メモにまとめていって、いろいろと質問して、その説明に納得がいくかどうか、信頼できるかどうかを見ればよいと思います。
 例えば、2〜3人の弁護士に相談し、同じ質問をしてみて、どんな説明をしてくれるか、比較してみるとよいでしょう。
刑事事件がどうなっているのか知りたいが、どうしたらいいか。
死亡事故で、実際の事故状況がよくわからないが、どうしたらいいか。
刑事事件の記録は、どうやってコピーがとれるのか。
後遺障害に苦しんでいるが、今後、具体的に、どうすればよいか。
介護の負担が大変だが、将来の介護については、どうなるのか。
歩行中の事故だが、自分のクルマの保険も使えるのか。
治療は、健康保険を使ったほうがいいのか。
自賠責の被害者請求をしたほうがいいと聞いたのだが、どんな請求なのか? すぐやったほうがいいか? どうやってやるのか?
(通勤途中の事故なら)労災を使ったほうがいいのか。会社は「交通事故の場合は、相手に請求するので、労災は関係ありません。」と言っていますが、それは本当ですか?
(相手が保険に入っていない場合) 相手が無保険のようなのだが、賠償をとれるのか。
何でも質問すること
 自分が依頼している弁護士に、わからないことは何でも質問しましょう。
 弁護士は、専門家として法律問題についての相談を受けるのが仕事ですから、依頼者の質問に対して説明するのが当たり前です。
 通常、被害者にとっては初めてのことばかりで「わからないことだらけ」「何がわからないのかもわからない。」状態だと思いますので、疑問に思ったことは、何でも質問しましょう。
 ただ、通常の執務時間においては、法律相談や裁判などの予定が詰まっています(これは弁護士に限らず、どんな仕事でもそうだと思いますが)。ですから、以下のような工夫をして質問すると良いでしょう。
@ 簡単なことでしたら、電話で済みますので、遠慮せずに電話することをお勧めします。弁護士は外出したり、相談中だったりします。きちんと回答して欲しい質問であれば、遠慮なく、「電話をください。」と伝言しておくことをお勧めします。
A ただし、電話の場合には、どうしても「行き違い」がでてしまいます。依頼者も弁護士も双方が忙しい場合には、どちらから電話しても「つかまらない。」ということも多くなります。そういうときには、メールや手紙で質問したほうがいいと思います。
B 質問がたくさんあったり、難しい質問の場合には、電話やメールよりも、面談の予約を入れて、直接、会って、きちんと説明を聞くほうが効率的です。疑問点をメモしておいて、まとめて質問すると良いと思います。
C なお、あなたがメールや手紙で質問しても全く返事をくれなかったり、面談の予約も入れてくれないような弁護士でしたら、その弁護士との契約を解約して、別の弁護士に相談することをお勧めします。
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 このページは2008年6月19日に更新しました。内容に誤りがないように留意しておりますが、万一、誤りにお気づきの方は、こちらにメールしていただければ幸いです。
 また、実際に被害に遭われた方は、お近くの専門家に直接相談してください(相談窓口はこちら)。
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