札幌弁護士青野渉が交通事故被害について、詳しく解説します。
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交通事故被害
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刑事事件について〜刑事事件の概要
刑事事件の基本的な流れは、以下のようになっています。
 交通事故が発生すると、まず、警察が捜査をし、一通り捜査を終了した段階で、検察庁に事件を送致します。
 検察庁は、警察の捜査で足りない部分について補充捜査を行い、起訴・不起訴の処分を決定します。起訴には2種類あって、略式起訴の場合と、公判請求の場合があります。
 略式起訴というのは、法廷での裁判を行わない簡易な裁判のことで、罰金を納付して終了となります。
 公判請求の場合には、公開の法廷で裁判が開かれ、そこで有罪・無罪の判決が言い渡されます。
捜査の実際
  「交通事故の捜査」というのは、一体どんなことをやっていて、どのくらいの時間がかかるのでしょうか。ここでは、事故が発生してから、だいたいの流れを説明しておきます。
警察の捜査
 事故が発生し、通報があると、警察官が現場に行き、捜査がはじまります。
 通常は、事故現場で、目撃者や加害者から事故状況を聴取し、必要な地点間の距離を測ったり、事故現場や車両の写真撮影をして、事故後数日以内には、実況見分調書を作成します。
逮捕・勾留 〜 交通事故の加害者は逮捕されるか?
 死亡事故の場合には、遺体の状況を確認する「検視」という手続が行われ、検視調書が作成されます。
 また、加害者(被疑者)を呼んで、取調べ、供述調書を作成します。必要に応じて、目撃者や、被害者側の話も聞き、供述調書を作成します。死亡事故のような重大事故で、車両の速度などが問題になるケースでは、各県警に設置されている科学捜査研究所に依頼して、鑑定書を作成することもあります。他にも、必要に応じて様々な捜査報告書が作成されることがあります。
 警察での捜査が一通り終わると、書類一式を、検察庁に送付します。(これを「送検」とか「送致」といいます。)
 だいたい、ここまでで、早くて1ヵ月程度、遅いときは、半年くらいかかります。
検察庁での捜査
 検察庁は、警察から来た書類をふまえて、必要な補充捜査を行います。
 死亡事故のような重大事件では、再度、加害者、被害者、目撃者を検察庁に呼んで供述調書を作成することがありますが、軽い怪我の場合には、警察の書類を確認する程度で、新しい供述調書は作成しないこともあります。警察の捜査に問題があれば、稀に、再度、実況見分を実施したり、鑑定を実施することもあります。
 捜査が終わると、検察官が、起訴にするか、不起訴にするかを決定します。
 起訴する場合には、公判請求(正式な裁判をすること)するか、略式起訴(罰金刑で処理すること)にするかも、担当検察官が決定します。
 不起訴にする場合には、「不起訴裁定書」という書類を作成します。そこには、不起訴の理由が記載されますが、不起訴の理由は、おおまかに言って、「嫌疑不十分」(加害者の過失を立証できる証拠がない場合)か、「起訴猶予」(加害者に過失が認められるけれど、過失の程度が軽いとか、怪我の程度が軽いので、裁判をしないこと。現在の検察庁では、全治2週間程度までの怪我ならば、原則として起訴猶予とします。)のいずれかで、圧倒的多数は、起訴猶予と思われます。
 検察庁に送致されてから、起訴・不起訴の決定をするまでの時間は、ケースバイケースですが、ごく簡単に起訴猶予や罰金で処理するケースでも2〜3ヶ月、死亡事故のようなケースでは1年程度かかることが珍しくありません。交通事犯は、処理件数も膨大なため、私の地元の札幌地検交通部でも、事故から1年以上の捜査が行われることは珍しくありません(事故から3年近く経過して裁判がはじまるケースもあります。)。
裁判
 略式起訴となった場合には、公開の法廷で裁判がされることはなく、加害者が罰金を納付して終了してしまいます。
 他方、公判請求の場合には、公開の法廷で裁判が開かれます。公開の法廷ですので、誰でも傍聴することが可能で、もちろん、被害者も傍聴することができます。また、検察庁に、事前に申し出ていれば、公判期日の連絡を受けられます(被害者通知制度)。
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 このページは2008年6月19日に更新しました。内容に誤りがないように留意しておりますが、万一、誤りにお気づきの方は、こちらにメールしていただければ幸いです。
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